戌の構造 Construction of dogs


 

d-torso 動物シリーズのはじまり

アキ工作社が1998年にはじめて発表した「段ボール製組立て式マネキン」が、d-torsoのはじまりです。その後マネキンと同じような構造で犬を作ってほしい猫を作ってほしいなど、みなさんから様々なリクエストが来るようになって、そうして初めて動物を作ったのが犬型です。当時私のうちで飼っていたタマ(雑種・雌)がモデルです。実際にタマの骨格を触って確かめながら骨組みを設計しました。人型も犬型も同じ哺乳類なので背骨を中心に肩や骨盤で四肢を支える主要な構造はほぼ同じです。このタマモデルを出発点にd-torso 動物シリーズがはじまりました。残念ながらタマは昨年の2月に15歳でなくなりましたが、プロトタイプとなるタマモデルは会社の中に今でも大事に保管されています。

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ミニチュアキットのはじまり

2006年の戌年に自社の年賀状としてチワワモデルを設計しました。d-torso の特徴の一つは拡大縮小が自由にできることです。等身大で作成したチワワモデルをA4サイズのシートにレイアウトできるまで縮小して、立体年賀状をつくりました。日頃お世話になっている取引先に送るための年賀状だったのですが、まわりでもとても評判が良く、商品化することになりました。これがミニチュアキットのはじまりです。以来毎年、その年の干支の動物をモチーフにした干支シリーズを製作してきました。来年2018年は再び戌年が巡ってきます。d-torso 干支シリーズも二巡目に入ります。

 

 

 

FLATS / Chihuahua チワワ

d-torsoは立体イメージをx軸、y軸、z軸の3軸方向に切断、解体して抽出した平面形の集合で構成されています。ひとつひとつの平面形はどれを欠いても全体が損なわれるという意味において同じ価値=valueを持っています(等価)。そしてそれぞれが固有のカタチ(意味)を持ちながら、d-torso独自の文法によって全体のなかに位置づけられます。d-torsoの文法は形態を物理的に保つための構造的要素とモチーフ(チワワ)の特徴線によって条件づけられています。d-torsoの造形手法にとって最も重要なのはこの解体の手続と等価という概念であり、私たちが"FLATS"と呼ぶニュートラルな空間はここから生み出されます。

チワワは全55個の部品から構成されています。ピンと立った耳と尻尾、そして細くて長い脚が特徴です。カラーバリエーションが豊富なのも、このチワワモデルの特徴です。ダンボール製ミニチュアモデル14種、日田杉製ミニチュアモデル、そしてライフサイズモデル2種、全17種のラインナップです。

 

 

 

Dachshund ダックスフンド

ダックスフンドは全61個の部品から構成されています。特徴はなんといっても長い胴と短い脚、そして重心が低いことです。胴体はチワワの構造と違い前後に二分割され、四つの接合部品で前後が繋がれています。ダンボール製ミニチュアモデル11種、日田杉製ミニチュアモデル、そしてライフサイズモデル2種、全14種のラインナップです。

 

 

Shiba 芝犬

芝犬は全84個の部品から構成されています。骨太の四肢としっかりした骨格が特徴です。チワワ、ダックスと違い、胸が広いので前肢は前方から差し込むように設計されています。ダンボール製モデル5種と日田杉製モデル、全6種のラインナップです。今後、ライフサイズモデルの製作も予定していますのでご期待ください。

 

 

Doberman ドーベルマン

ドーベルマンは全78個の部品から構成されています。スマートな骨格と長い脚、そして水平な背中のラインが特徴です。胴体はダックス、芝犬と違い一体化されていますが、お腹の部分は中空になっています。これはd-torsoの構造のなかでときどき現れるパターンです。お腹の部分を中空に保つために胴の連続部品の穴を背骨部分をくぐらせて差し込みます。組み立てとしては少し難易度が上がります。ダンボール製モデル5種と日田杉製ミニチュアモデル、全6種のラインナップです。ドーベルマンもライフサイズモデルを製作の予定です。

 

 

戌段 44アイテム

戌段シリーズだけで全44アイテムの商品構成になっています。d-torso seriesのなかで最も数の多い商品群です。詳しくは下記それぞれの商品詳細をご覧ください。