猫の構造 FLATS


 

吾輩は猫段である

 

吾輩は猫段である。名前はまだ無い。 国東(くにさき)半島の両子山(ふたごさん)の麓、廃校になった小学校で生まれた。 なんでも薄暗いところで紙から切り出された事だけは記憶している。 吾輩はここで始めて人間というものを見た・・・ 猫の足はあれども無きがごとし、どこを歩いても不器用な音のした試しがない。 空を踏むがごとく、雲を行くがごとく・・・ 吾輩は平らな段ボールシートのなかに収まって世界中を旅する。 そして人の手によって組み立てられ、行きたいところへ行って聞きたい話を聞いて、舌を出し尻尾をふって、髭をぴんと立ててゆうゆうと帰るのみである。 吾輩は新年来多少有名になったので、段ボールの身ながらちょっと鼻が高く感ぜらるるのはありがたい。 ときどきはテレビに出演したりもする。 吾輩は御馳走も食わないから別段肥りもしないが、まずまず健康で跛にもならずその日その日を暮らしている。 鼠は決して取らない。 ・・・名前はまだつけてくれないが、欲をいっても際限がないから生涯この教師の家で無名の猫段で終わるつもりだ。

 

 

 

 

 

FLATS / Cats

 

d-torsoは立体イメージをx軸、y軸、z軸の3軸方向に切断、解体して抽出した平面形の集合で構成されています。ひとつひとつの平面形はどれを欠いても全体が損なわれるという意味において同じ価値=valueを持っています(等価)。そしてそれぞれが固有のカタチ(意味)を持ちながら、d-torso独自の文法によって全体のなかに位置づけられます。d-torsoの文法は形態を物理的に保つための構造的要素とモチーフ(ネコ)の特徴線によって条件づけられています。d-torsoの造形手法にとって最も重要なのはこの解体の手続と等価という概念であり、私たちが"FLATS"と呼ぶニュートラルな空間はここから生み出されます。

 

立ちポーズ

猫段立ちポーズは全80個の部品から構成されています。丸い背中のラインといまにも動き出しそうなたたずまいが特徴です。ダンボール製ミニチュアモデル8種と少しサイズの大きいMDFモデル、そしてライフサイズモデルの白、黒、ナチュラル3種の全12種のラインナップです。それぞれのサイズとマテリアル感をお楽しみください。

座りポーズ

猫段座りポーズは全64個の部品から構成されています。丸い背中のラインといまにも動き出しそうなたたずまいが特徴です。ダンボール製ミニチュアモデル6種と少しサイズの大きいMDFモデル、そしてライフサイズモデルの白、黒、ナチュラル3種の全10種のラインナップです。それぞれのサイズとマテリアル感をお楽しみください。

 

 

 

 

NO SKIN

d-torsoはいわゆる「表面」を持ちません。表面にあたる部分はレーザーで切り出され内部構造が露出した段ボールシートの断面が非連続的に連なります。鑑賞者はそれらの部品と部品の間をイメージで補完し、ひとつの像として認識します。この架空のフォルムはそれを支持する建築的な構造によって成り立っており、フォルムと構造のバランスがFLATSの最も大きな特徴です。

 

猫段(ねこだん) 全22アイテム

猫段シリーズは現在全22アイテムの商品構成になっています。詳しくは下記それぞれの商品詳細をご覧ください。